披露宴会場内を明るく華やかな雰囲気にするのに欠かせないのが装花です。結婚式・披露宴において、どのように花を飾るのかは重要なポイントの一つです。

あなたのセンスが光る素敵な空間をつくり、ゲストの方へおもてなしの心を伝えましょう。

花には旬があり、季節によってさまざまな花が咲きます。また、花の品種改良の技術は日々進歩し、同じ花でも見た目の異なるたくさんの種類の花が入手できます。

花の組み合わせ飾り方の工夫により、無限の見せ方ができます。装花は婚礼を作るうえで欠かせないものとなっています。しかし、花はとても高価なものです。そのため、選び方とアイデアで予算以上の華やかさを出すポイントについてもみていきます。

花を使ったコーディネートの基本の考え方について

ここからは、花を中心にしたコーディネートの基本的な考え方をまとめていきます。やみくもに好きな花を選ぶ前に、披露宴パーティーの全体像を決めておくことから始めることがもっとも重要です。

テーマやコンセプトについて考える

まず、披露宴の「テーマとコンセプト」について考えていきましょう。あなたの結婚披露宴を一言でタイトルをつけるとしたら何でしょうか。これがテーマになります。そしてテーマのもととなるベースになる内容がコンセプトと考えてください。

コンセプトは新郎新婦の共通の思い出や趣味、好きなもの何でもよいです。それをふまえてテーマやテーマカラーを決めます。テーマが見つからなければ、テーマカラーだけでも決めてみましょう。好きな色や直感で浮かんでくる色でもよいです。

ここで実際のコーディネートについてみていきます。わかりやすい例としてまず、テーブルクロスと花に注目してください。テーブルクロスは面積が大きいため会場内のイメージを作り上げるのに便利なアイテムです。

テーブルクロスは無料で選べるものと別料金のものがあります。別料金のテーブルクロスは選べる色の種類が多いだけではなく、素材や光沢もさまざまあります。

こだわりをもって全体に統一感を持たせたいと考える人は別料金を払ってもイメージに近いものを選ぶ価値はあると思います。

例えば、以下のようなテーマとコンセプトで披露宴会場を飾った人がいます。

テーマ:海、コンセプト:新婦の好きな人魚姫アリエル

新婦が大好きだというディズニーの人魚姫アリエルのキャラクターから連想する「海」をモチーフにしたコーディネートです。

海をイメージする水色や青色でさわやかにまとめられています。写真ではわかりづらいですがゲストテーブルの花のまわりには小さい貝殻が置かれています。テーブルクロスと引き出物の袋だけでも何となく海のイメージが感じられます。

さらに、席札や席次表の色味も同色でまとめたり、人形やオブジェなどを持ち込んで飾ったりすることもできます。ひとつのテーマを設定することで、統一感のあるおしゃれな空間が表現しやすくなります。

このようなブルーを基調としたコーディネートは、暑い夏の披露宴で用いても涼しげな雰囲気を演出できます。言葉にしなくても「暑い中私たちのためにお越しくださってありがとうございます」という気持ちがほのかに伝わるのではないでしょうか。

テーマカラー:赤×黒、コンセプト:ビジュアル系バンド

ワインレッドのテーブルクロスに黒いチェアカバー、赤い引き出物袋で婚礼では少し珍しいコーディネートです。このときの黒いチェアカバーは別料金で一枚300円×130名でしたので4万円ほどの料金アップですが、かなりインパクトがあります。

自分たちが納得できる部分にしっかり予算を投入することで、印象的な空間が実現できる成功例です。この会場で行われたのはビジュアル系バンド出身の新郎新婦の披露宴でした。披露宴のラストは新郎新婦による演奏と歌が披露されました。

 

黒色を披露宴のコーディネートで使用するのは一般的には少々奇抜な印象です。ただ、二人に非常にマッチしていれば問題ありません。ゲストには二人らしさがよく感じられるとともに、新郎新婦の満足感も満たされます。

自分たちの個性を客観視し、それを取り入れることはゲストを楽しませることにつながります。自分の個性がよくわからないという人は、身近な人に聞いてみましょう。周りの人が感じる二人の個性は他の多くのゲストにとっても違和感のないものとなることでしょう。

テーマカラー:白、コンセプト:ゲストの皆さんに会場を彩っていただきたい

先ほどと打って変わって真っ白なコーディネートです。テーブルクロスや花だけでなく、会場の壁も床も椅子も全部白です。しかし普通、壁や椅子などは会場に備わっているものを使うしかありません。

ではなぜ、すべてが白いコーディネートが可能になったかというと、フリーのウェディングプランナーが白い壁と椅子の提供できる披露宴会場を探しているからです。つまり、会場を決める前にコンセプトやテーマをプランナーと話し合ったうえで、最適な会場探しをしているのです。

一般的には先に会場を決めてから細かな部分を考え始める人が圧倒的に多いため、ここまでのこだわりを表現するのは難しいです。

こちらの新郎新婦はさわやかなルックスの美男美女で、二人の透明感のある雰囲気と真っ白な空間がとてもよく似合っていました。

そして、写真右上を見ますと白い「シンボルツリー」の木が見えます。この白い木に対して、会場に入ってきたゲストが受付で受け取ったリボンを結んだ後、席に着きます。

パーティーの始まる前というのはゲストも少し緊張していたりするものです。そこで、席に着く前にゲストが1本の木の周りに自然に集まり、リボンを結ぶという同じ行為をすることでゲストの連帯感を高める目的があります。リボンを結ぶことは、この場所に集う人びとの心と心を結ぶという意味も込められています。

ここまで細部にこだわった演出を提案できるのはフリーのウェディングプランナーならではです。ちなみにプランナーは白い木を手に入れるために花屋さんに協力をお願いしたそうです。花屋さんとの信頼関係もあって、このようなこだわりのウェディングが実現可能となりました。

そしてゲストが次々に会場入りすることで、ゲストの着ている服の色で白い会場内が色鮮やかに彩られていきます。その後真っ白なタキシードとウェディングドレスに身を包んだ新郎新婦が登場し、二人が希望した心温まる結婚披露宴となりました。

「ここにいるみんなが主役」という気持ちがさりげなく表現されていて、ゲストの満足感もとても高いものになりました。

新しいスタートには白が似合うと感じる人は多いと思います。白いコーディネートは多くの人が参考にしやすいのではないでしょうか。

テーマ:日本的な和の心、コンセプト:神社仏閣が好き

比較的若い世代でも、とても古風なものを好む人がいます。お茶を習っていたり、神社仏閣をめぐったり、着物姿で出かけたりすることが好きな方におすすめの和風コーディネートです。

京都には古い京町屋を改装したゲストハウスが多数あります。和の雰囲気にあこがれる人は多いです。また近畿圏から程遠い場所に住んでいる新郎新婦で大学時代を京都で過ごした人などが、結婚式の場所に思い出の京都を選ぶこともめずらしくありません。

京都は歴史的な建物が多く残る独特の雰囲気をもつ場所です。そのため、自分たちのためだけでなくゲストへのおもてなしとして京都を結婚披露宴会場に選ぶ新郎新婦はいます。

和風の装花でよく見かける花が「ダリア」や「菊」です。菊はお葬式の花をイメージする方もいるかもしれませんが、婚礼で使っても問題ありませんので好きな方はぜひ取り入れてみましょう。

お得な花の選び方

会場内をきれいな花でいっぱいに飾りたいという女性は多いです。たくさんのサンプル写真を見るとわくわくしてくることでしょう。そして花の写真を見比べると花のボリューム感によって豪華さが違って見えます。

さらに、価格をみると「花ってこんなに高いのか」とため息をつきたくなるほど花は高価です。もちろん、何故高いのかという理由があります。

お分かりのとおり、自然のものである花の命は短いです。そしてその花を準備し、組み合わせて飾って会場に搬入します。その後、会場内で最終的な仕上げをするのが一般的です。

そして披露宴のあいだに最も花が美しく咲いている状態にしなければならないという難しさがあります。そのため多めに仕入れて中でも元気の良い美しい花を選んで使います。その結果、無駄になる花も出ます。

また、花はそれぞれ咲く季節があります。時期はずれの花は手に入れにくかったり、手に入っても高価だったり、花が小さかったりします。そのような理由から花はどうしても高価になってしまうのです。

花屋で装花を作るフローリストさんの話によると、多くの新婦が好むような花の多くは春の花が多いそうです。どの季節でも何かしらの花は咲きますが、冬の季節が過ぎ春の訪れとともに開花する花の種類は多いです。

人気のあるバラやガーベラ、カーネーションなどは春の花です。旬の花は大きくて元気で、そのうえ価格も低くなります。

たくさんの花の中から選びたい人や、花に特別のこだわりをもつ人は婚礼の時期を春にするのもよいかもしれません。

好きな花だけでまとめたコーディネート

きれいで自分が気に入れば花の種類は問わないという人もいます。しかし中には「私はこの花が特別好き」という花がある人もいます。そんな大好きな花をメインにした飾り方を紹介します。

カスミソウとひまわりだけを飾った印象的な装花の一例です。下の写真のひまわりの花は11月に撮影されたものです。本来夏の花であるひまわりを秋に集めるのは大変だったようです。

このひまわりの装花ですが、遊び心で「かくれミッキー」が入っているのがわかります。ゲストに探してもらうなど、ちょっとした遊びを入れてみるのも良いです。

花器やアイテムを上手に使った花のアレンジ

花はたくさん飾るほどゴージャスになりますが、価格もアップします。価格を抑えつつ素敵な見せ方をする方法として「大きな花器を使う」「他のアイテムを一緒に飾る」という方法があります。

上の写真の花はガラスの器の中にすっぽりと納まるように飾られています。このような飾り方をすることで、中の花の分量が少なくてすむため花代を少し抑えることができます。2~3本の花に葉っぱをたくさん混ぜることで花の本数が少なくなります。

例えばこのように贅沢に花を使った場合、一卓に300~500円の花を10本位飾るとそれだけで3,000~5,000円になります。2~3本の花に葉っぱをたくさん加えて、さらに器の形を工夫することで、時期にもよりますが半値近くに下げられます。

この花は縦に長い器に入った水の中に、一本の花を沈めているだけです。花の分量はとても少ないですが、さみしい感じがしないよう工夫された飾り方です。器の周りにグリーンの葉を置くことで、さらにみずみずしさと華やかさが感じられます。花代を抑えたい方は以上のような方法で、少ない花をいかに大きく見せるかということを考えてみましょう。

そしてもう一つの見せ方は、他の何かと一緒に花を飾る方法です。花代を抑えるという理由ではなくても「自分の好きなものを飾りたい」という理由でいろいろなアイテムを飾る人もいます。

たとえば人形やキャンドル、イニシャルオブジェなどです。あなたのセンスと工夫で素敵なテーブルを作りましょう。

上の写真は花と花の間に手作りのぬいぐるみを飾ったものです。手芸の得意な人や、手先の器用な人は手作り品で飾るのもひとつの方法です。手作りのものには味わいがあります。さりげなく自分たちの趣味を紹介できる場としても活用してみてはいかがでしょうか。

このように小物を工夫することで、新婦の喜びの気持ちが一目で感じられる温かいテーブルコーディネートが自然に完成します。

上の写真は中央に新婦の好きなカピバラのぬいぐるみがたくさん飾られています。一番目立つメインテーブルに好きなものを飾ることで、その人らしさを表現することも可能です。

こちらはふたりのイニシャルオブジェとキャンドルを置いた一例です。花以外のものと何かを組み合わせることで、オリジナリティあふれるメインテーブルになります。

新郎新婦のいるメインテーブルは、もっともゲストの注目が集まる場所でもありますので、ぜひ素敵なアイデアを活用してみてください。

持ち込む際の注意

なかには、装花を自分で手配し持ち込む人もいます。よほどこだわりの強い人などは、持ち込み料金を会場に支払ってでも持ち込みすることがあります。

もし、会場の装花を別の花屋さんに依頼する場合、注意しておくべきことがあります。それはお花屋さんに事前に会場内を見学しておいてもらうということです。

普段そこの会場に出入りしていない花屋さんの場合、壁の色、じゅうたんの色、天井の高さなど細かい部分がわからないことは多いです。そのため、事前に会場を見学しておいてもらうなどしておきましょう。見学してもらうことで、花が会場の全体のバランスに、より調和するような装花を作ってもらうことができます。

花の専門家にアドバイスをもらう

会場を飾る装花は「披露宴が終わった後どうするか」についても考えておきましょう。

例えば、花は種類によって持ちのよさが違います。すぐに花びらがしぼんで変色しやすいものがあれば、丈夫で痛みにくく、扱いやすい花もあります。

会場内に飾る花は新郎新婦の買い取りになります。その場だけきれいに保つことができればよいという人は、花の持ちの良さは考えなくても大丈夫です。

しかし、披露宴後に別会場で二次会を開催する人も多くいます。二次会に披露宴で使用した花を持ち込んで使うという人は非常に多いです。たいていは友人である二次会の幹事役の人たちが、袋に入れた花を次の二次会会場へ移動させます。このように引き続き花を使う場合は、長時間丈夫な花を選んだほうが良いです。

また披露宴後、二次会を行わない新郎新婦は会場の装花をゲストにプレゼントすることが多いです。その場合、花を持ち帰った後もできるだけ長く美しい状態を保つことができたほうがもらった人は嬉しいです。

また、季節によって安く手に入るお得な花や、普通の人があまり見たこともないようなマニアックな花の情報など、花の専門家であるフローリストさんは豊富な知識をもっています。

フローリストさんは花が好きでたまらないという人が非常に多いです。いちアーティストとして高いプライドをもっている人もいます。せっかくですから、花の専門家にたくさん質問して、有益な情報を手に入れましょう。あなたのメリットにつながることがあるかもしれません。

いつの時代も人気のバラの花

現在は多くの花が流通し、非常に多くの花や植物が選択できます。ただ、いつの時代も変わらぬ人気を誇る花があります。それはバラの花です。

バラの花にはたくさんの品種があります。そしてバラはもっとも多くの花言葉をもっているといわれています。色だけでなく、大きさや本数や葉やトゲにまで花言葉があります。

赤いバラは「愛情」、白いバラは「純潔」、黄色いバラは「友情」、ピンクのバラは「感謝」「幸福」などさまざまです。婚礼で用いられるバラは「ブライダルローズ」と呼ばれ、特別な花言葉があります。それは「永遠の愛」です。

美しいだけではない花の役目とは

これまで花の飾り方についてみてきましたが、本来人はなぜ花を飾るのでしょう。婚儀や葬儀、お祝いごとで花が使われています。

人がなぜ花を摘み飾るのかについては、なかなか答えは見つかりません。しかし、人間は自然の一部であることから、ときには自然にかえり万物と調和をとろうとするのかもしれません。

また切り取られた生け花であっても、花の生命はしばらく続きます。懸命に呼吸している花のエネルギーにより空間が清められるのを感じる人も多いと思います。

短い時間で枯れ果ててしまう花の姿に、生命の不思議と夫婦の運命の出会いを感じます。人間の一生の中で最高の輝く瞬間を迎えた夫婦の周りには、やはり美しい花が似合います。婚礼という一日に心の豊かさを思い出しながら、かけがえのない日を過ごしましょう。