結婚式の準備を始めるにあたって、まず結婚式に「どのくらいの人数を招待するのか」について早めに検討する必要があります。
ある程度人数が決まらないと、会場探しがしにくいです。しかし、一般的に何人くらい招待するのが普通なのか決め方がわからないのではないでしょうか。
さらに、親族、友人、会社関係など、どんな人を招待するかを考えるのは楽しみな反面、「人数が多すぎ、少なすぎ」による悩みが出てくることがあります。また、人数を決めるときに気になる問題として多いのが「両家の人数の内訳・バランス」です。
そこで、招待客の人数と内訳についての悩みで憂鬱になることのないように、さまざまな対処方法と考え方をお伝えします。
もくじ
結婚式の招待人数の平均(地域別)
結婚式の招待客の人数というのは、人によってさまざまです。「少数でこじんまりと結婚式をしたい」という人がいれば、「大人数で盛大に開催したい」という人もいます。また、招待人数は地域によって特徴があります。そこでまず、結婚式の人数についての平均データを参考のためにみてみましょう。
以下は、全国の地域別の招待人数の平均です。
- 北海道:78.8人
- 青森・秋田・岩手:100.6人
- 宮城・山形:70.8人
- 福島:84.9人
- 茨城・栃木・群馬:73.0人
- 首都圏:63.1人
- 新潟:62.9人
- 長野・山梨:71.6人
- 富山・石川・福井:60.3人
- 静岡:76.6人
- 東海:60.1人
- 関西:61.3人
- 岡山・広島・山口・鳥取・島根:67.5人
- 四国:76.0人
- 九州:94.5人
披露宴の招待人数の全国平均は69.4人で、中央値は73.0人です。また、50~90人未満の人が全体の49.1%を占めています。また、30人未満は全体の11.1%となっています(ゼクシィ結婚トレンド調査2018より)。
さらに、データに見られるように東北・九州は100人前後で比較的多くの人を招待する傾向があります。
ホテルや神社など会場による人数の目安で気を付けること
次に考慮するべきは、会場によっての収容可能人数についてです。結婚式では「挙式」と「披露宴」を考える必要があります。
・ホテルの披露宴
ホテルの披露宴会場は壁の仕切りを移動させることで、少人数から大人数まで対応が可能なところが多いです。
・ホテル内の挙式
しかし、ホテル内の挙式会場となる「チャペル」や「神殿」は収容人数が決まっているため、中には50名程度しか入れない広さのところがあります。
・外部施設の挙式会場
また、ホテル内の神殿ではなく、一般の神社仏閣での挙式では施設の大きさはさまざまで、収容人数は決まっています。そのため、披露宴に参加する人すべてが挙式に参列することができない場合があります。
実際に挙式は親族のみで、挙式後の披露宴から友人・会社関係の人に来てもらう人がいます。
・挙式に全員参列してもらいたい場合
では、もし披露宴に来てもらう人すべてに挙式も見てもらいたい場合はどうすればよいでしょうか? 挙式会場に入りきれない場合は立ち見可能か確認をしましょう。それでも入りきれない場合は、披露宴会場で挙式を行いそのまま披露宴をする「宴内での挙式」をおすすめします。
宴内挙式では、ゲストは最初から披露宴会場に着席しています。このとき、新郎新婦の席である「メインテーブルを置く場所」を使って挙式をします。
例えば神前結婚式の場合はメインテーブルを撤去して、前方奥に神殿を設置し、人前結婚式の場合はメインテーブルをそのまま使用することで挙式を行います。そして挙式の終了後は、そのまま披露宴に進みます。
宴内人前結婚式は多くの会場で対応可能ですが、神前結婚式の場合、披露宴会場内で結婚式を行える会場は限られています。中には、和の結婚式を行えるゲストハウス(一軒家を使った専門式場)などで、対応可能な会場があります。
以下は、実際に披露宴会場内に設置された神殿の例です。
挙式後、同じ場所にメインテーブルを設置すると、このようになります。新郎新婦の席をすぐに設置しなおして披露宴がスタートします。
披露宴会場内の挙式は招待する人の人数に対応するだけではありません。例えば高齢者が多く、挙式会場から披露宴会場への移動が大変な場合に、参列者の移動の負担を減らすことができます。
招待人数30人、60人、80人、130人のイメージ
続いては、人数によってどのような雰囲気やイメージになるか見てみましょう。
以下は、30人弱の少人数披露宴(ホテル)です。ひとつのテーブルに新郎新婦含め、全員が着席するアットホームなスタイルです。
続いて、60名規模の披露宴会場(ホテル)のレイアウトの一例です。平均的な人数はこのような雰囲気になります。余興やスピーチがどの位置からも遠くなく一体感を感じやすい人数です。
次は、80名規模の披露宴会場(ホテル)の例です。天井が高めのため、かなり空間の広さが感じられると思います。80名くらいになるとかなり盛大な印象が強く出てきます。
最後は、130人規模の披露宴会場(ホテル)です。通常70名程度の宴会ができる二つの部屋をひとつにつなげた非常に広い会場です。一般の人ではかなり大人数の披露宴となります。後方に着席する親族からは、新郎新婦は10メートル以上離れています。
両家の人数のバランスはどこまで揃えるべきか
ここからは、よく問題になることが多い、両家の人数のバランスや比率についての考え方を紹介します。まず、理想的であるのは両家の人数や、招待する人の関係性は極力バランスが取れている方がよいです。
人数が合わなかったり、違いすぎたりすると、もめる原因になることがあります。人数の差で喧嘩になるのは、結婚式にかかる費用負担の配分で不満が出るケースがあります。そこで、人数の差が大きく出たときの対処方法をみていきます。
両家の人数の配分
結婚式は、これから親族の関係となる両方の家が共同で開催するものです。しかし、現実的には5対5の配分にならないことが多いです。目安としては7対3くらいまでなら、そこまで気にしなくても大丈夫です。特に新郎側が多く、新婦側が少ない場合はあまり気にすることはありません。
ただ、逆に新婦側が極端に多い場合、明確に理由がないのであれば、新郎側に招待する人を少し増やすことを考えてもらいましょう。結婚式にはわりと古いしきたりや考え方などが残っています。それは「男性側が上位」という考え方です。歩くときも必ず新郎が新婦をエスコートするように常にリードします。
男女平等の世の中ですが、両家の代表挨拶でも新郎側の父が行うことが常識となっています。まだまだ古風な部分が残っているセレモニーのため、例えば「嫁入り婚」か「婿養子」なのかによっても順番などに細かい決まりがあります。そのため「嫁入り婚」の場合は特に新郎家の側に重きを置く方が無難です。
最終的には両家が納得していれば、何も問題はありません。しかし、例えばその人数比が、9対1など極端なバランスの悪さだと何が問題となるでしょう。
ひとつにはゲストがあらぬ心配をする可能性があります。例えば「片方の家が結婚に反対しているのではないか」「両家の関係が良くないのではないか」など気を遣ってしまいます。
婚礼文化は、現代の感覚からすると独特なところがまだありますので、総合的に考えることを意識するとよいでしょう。
関係性による両家のバランス
関係性とは、例えば「親族メインで友人が少し」「家族のほかは会社関係・友人メイン」というように、だいたいで構いませんので、揃えるように両家で相談して決めていきましょう。親族、友人のバランスについてもある程度、揃っている方が望ましいです。
片方の家は親族ばかり、もう片方の家は友人がメインというようなバランスですと、列席者にとって盛り上がりや一体感が一致しにくい場合があります。そのため、あまりに極端な内訳になりすぎないように考えましょう。
詳しくはあなたの担当のウェディングプランナーが教えてくれますので自分の人間関係を伝えて相談すると良いでしょう。
結婚式の人数の数え方
ちなみに、結婚式の人数の数え方として、新郎新婦本人たちを含んだ数で担当者とやり取りをするようにしましょう。理由は、結婚式場側が人数を把握するときは常に「料理を提供する人数」を意識しているからです。椅子の数であれば、増減はいくらでも対応できますが、料理については事前に食材を発注する必要があります。
そのため、担当者からの「現時点で何人くらいですか?」という質問には、新郎新婦本人を含めた人数で返事をしてください。さらに、親族や友人の子供を招待する場合にも、「子供料理を食べる未成年」「大人料理を食べる未成年」「料理なしの乳児」をカウントするようにしましょう。
ほかには、例えばバスをチャーターして親族みんなで移動してもらう場合などは、バスの定員オーバーにならないように考えなければなりません。
アプリを活用して人数を管理する
人数を決めるときに、リストアップなどで便利な「招待状作成を楽にする」アプリがあります。中には携帯電話のリストからピックアップして管理ができるアプリがあります。
以下は、「MY GUEST」という名簿作成や管理ができるアプリです。
使用方法は下記の通りです。
- 「MY GUEST」を起動
- 住所録を収集する方法を選択(相手に登録依頼をLINEやメール・自分で入力・デフォルトの連絡帳からインポート)
- 提携サービス(席次表の作成・引き出物の集計など)利用の人は住所録をアップロード
- 収集した住所録をスマートフォンに残したい人はデフォルトの連絡帳に保存
結婚式の準備に関するウェディングアプリは、人数の管理以外にもプランの立て方など、さまざまなものがありますので調べてみるとよいでしょう。
過去に招かれた友人は優先しよう
次に友人の招待を考えます。
まず、友人であなたが過去に結婚式に招待された人がいる場合、その人を招待するのが基本です。20代、30代の人なら特に以前招いてくれた人を招くのが常識となります。しかし40代の人などは、例えば20年以上昔に招いてくれたような友人と現在、疎遠になっている場合があります。時間の経過が長い場合は、現在のつながりから考えれば大丈夫です。
他では、基本的に友人はあなたが来てもらいたい人を常識の範囲で、自由に招待すればよいです。
常識とは何かというと、例えば異性の友人ばかりを招待したり、過去に交際していた人を招待したりすることはやめましょう。相手の親族からどう見えるかなど、全体のことを考えてしっかりした判断をしましょう。
・同じ仲間には等しく配慮する努力をしよう
さらに、同じグループの友人内で招待する人、招待しない人が出る場合は、呼ばれない人が寂しい気持ちにならないように配慮しましょう。配慮とは、例えばそのグループ内で代表して数名に挙式・披露宴に来てもらい、他の人は二次会に招待するなどです。
その際、「本当はみんなに来てもらいたかったけれど、相手側の人数に合わせたため、全員を招待できなかった」などの伝え方が無難です。このように「相手の側に合わせたため」という説明は、納得してもらいやすい理由として使えます。
・一人参加の人がいないようにしよう
他には、友人が一人参加にならないように極力配慮しましょう。知らない人だけの会場内で食事をしなければならず、同じテーブルの人に気を使うため疲れてしまう人がいるからです。自分が招かれたとき、どう感じるかを想像することが大切です。
友達が少ないことが気になる人はどうする?
このとき、結婚式に友人の参加が少ないことを人に聞かれたときは「遠方の友人が多い」などやんわりと説明しておけば大丈夫です。
それでも気になる人は少し目上の人などで、日ごろあなたを可愛がってくれる人など、喜んで参加してくれそうな人を招待するのが一つの方法です。また、親族の中で年齢の近い従姉妹などに参加してもらうのもよいでしょう。
見栄のためだけに、あまり親しくない人を招待するのはおすすめしません。また、世の中には「友人代行サービス」というものがありますが、このようなサービスにお金をかける必要はないです。数は少なくても参加してくれる友人を心から大切にして、感謝を伝える結婚式をすればよいです。
会社関係の人を招待するときの考え方
会社の人については、大きく分けると「上司」と「同僚・同期」がいます。
・会社の上司について
まず上司を招待するかしないかを決めましょう。あなたのパートナーが上司を呼ぶ場合、あなたも合わせて上司を招待する方がバランスは良いです。
終身雇用がほとんどの時代では、上司をきちんと招くという考えが多くありました。大切なことは、あなたが将来的に今の会社のことをどのように考えているかによって判断するとよいです。
・会社の同僚、同期について
同僚や同期については、あなたの気持ち次第で大丈夫ですが、先ほどの友人と同様の考え方が無難です。
招いてくれた人は、こちらも招待する。同期を招待するなら、全員招待する。もしくは部署の近しい同期を優先するなど、周りの同期に合わせておけば無難でしょう。人数が多くなりすぎるときは、同姓の同期だけを招待するのもひとつです。
同僚の場合、例えば「先輩格の人は上司の近くに座ってもらう」など、序列を大事にすることを意識しましょう。会社については、仲間内でどのようにしているかだいたい分かるので、仲間に相談するとよいです。
中には、会社関係は招待しないという人がいます。その場合は過去に招いてくれた人に対して「身内だけでこじんまりと結婚式をするつもり」などと説明しておけば大丈夫です。人によって結婚式の規模はさまざまですから、説明をすればすんなりと理解されやすいです。
招待人数が多すぎる、または少ないときはどうするか
人数の調整が予定していた数より多くなってしまったり、逆に欠席の返事が多く人数が足りなかったりする状態になることがあります。そのようなときは、どのように追加するとよいでしょうか。
・招待人数が多すぎるとき
多すぎると予算は膨らみます。しかしご祝儀の額が増えるため、負担金額はあまり変わらないことがあります。結婚式場側は多少の人数の増減には対応できますので、問題なければそのまま増やしてしまうという方法があります。
また減らしたい場合は、例えば「高校の友人」「大学の友人」どちらかを招待するのをやめて、その友人たちには2次会の方だけに来てもらうという方法があります。
ほかには、新郎新婦ふたりの共通の友人が複数いる場合、相手の招待人数が少なめであれば、すべて相手側の招待客としてカウントすることができます。これは、新郎新婦の職場が同じ場合でも同様の配置をすることで人数を減らすことができます。
親族の招待を減らすのは難しいことが多いですが、親族は一家の代表を招待すればよいので、伯父伯母を招待すればその家の子である従兄弟などは基本的に招待しなくても大丈夫です。人数が多すぎるときは従兄弟を招待しないようにすると良いです。
ただし、一度招待した人に対して、こちらから招待を取り下げることは絶対にできませんので、招待状を出す前に注意して考えていきましょう。
・招待人数が足りないとき
人数が少なくなった場合や、当初の予定を下回ると会場の空間が空きすぎて寂しい感じがすることがあります。では、人数が足りない場合はどのようにすればよいでしょうか。
まず、人数を増やしたい場合は、先ほどの逆で、伯父伯母に加えて従兄弟やその家族を招待するのが一つの方法です。友人の場合は学生時代や職場の友人だけでなく、趣味の習い事の仲間や、恩師の先生などで招待しやすい人がいないか探してみましょう。
そのときのポイントは、相手が喜んで参列したいと思ってくれるかという点です。それさえクリアすれば招待しましょう。
友人関係や仕事関係の人を多く招待することは、あなたの親のためにもなります。親に家庭の中ではわからなかった一面を見せてあげられるのが結婚式の良いところです。
仲間に恵まれているわが子の姿を見せるのは非常に親孝行になります。また、親の友人や近所の人などを招待することは比較的よくあることです。
・招待状を出した後、欠席が多く追加したい場合
意外な欠席が多く、人数が集まらない場合は、先ほどのように親族の従兄弟などに出席してもらうのがひとつです。ほかには当初、招待リストに入れていて、後から外した人にあたってみるのもひとつの方法です。
ただそのときは、後から追加で来てもらうということを説明した上できちんとお願いしてみましょう。
人数合わせに招待されると、普通は気分がよくないものです。ですから、相手の心情を考えて正直に伝えることで、気持ちよく参加してもらえるようにしましょう。
人数の変更はいつまで可能か
さて、結婚式場には最終的に人数を確定させなければいけない締め切りがあります。その時期を過ぎてからドタキャンする人が出た場合は、人数の変更ができないため、料理や引き出物の費用が無駄になってしまいます。
以下は、椅子の上に置かれた引き出物です。
こうした引き出物はそれなりに値段がするため、人数をできるだけぴったりにしたいものです。さらに、ゲストによって引き出物の中身を変えて、3~4パターン用意する新郎新婦がいます。発注物のミスをなくすために、出欠の管理に注意しましょう。
人数の増減はいつまで可能かは、料理と引き出物の発注の締め切りまでとなります。具体的な日数は式場によって多少変わりますが、だいたい結婚式当日から10日~1週間前になると数を減らすことができなくなります。増やすことは3~4日前まで可能な場合があります。
最終確定の時期はウェディングプランナーが前もって教えてくれますので、注意しておきましょう。人によっては引き出物を一人分多めに注文してもらい、予定通りで余った場合は親か自分たちが記念に持ち帰ることにして、急な追加に備える人がいます。
当日、急な欠席があったときは余った料理を指定したテーブルに出して、みんなで食べてもらうということをする人がいます。料理代は払わなければいけませんが、出し方は自分たちで決められます。
欠席を完全に防ぐ方法はありませんが、人数の確定後も心配りを大切にすることで、体調不安を抱える人でも可能な限り出席したいと調整をしてくれます。人数確定後も、不用意な欠席は極力防ぐ努力をしましょう。
大半の人は大丈夫だと思いますが、中には結婚式のドタキャンが原因で友情が壊れるケースがあります。あなたの大切な一日が、嫌な思い出にならないように注意してください。
結婚式の人数の把握は重要
これまでみてきたように、結婚式に「招待する人の顔ぶれ」と「人数の配分」はさまざまな面で配慮が必要です。頭を悩ませるポイントは人それぞれですが、多くの新郎新婦が気になる点を紹介しました。
人数の調整は、相手の都合や状況に左右されるため、自分たちの思った通りに進まない問題が誰にでも起こり得ます。招待客や人数の問題で解決すべきことが出てきたとき、工夫できる方法を事前にたくさん知っておくとストレスを軽減できます。
中には、当初の予定より大幅に人数が増えることがあります。逆に、急な欠席に見舞われるケースもあります。予想外の変動は慌てたり、がっかりしたりすることがあるかもしれません。
しかし、人数確定の締め切りまでは人数の変動は可能ですので、諦めないで調整の努力をしましょう。
結婚式は両家がひとつになるスタートの儀式です。パートナーや両家の親御さんとのコミュニケーションを大切にして、周囲の協力を得ながら段取りよく準備を進めましょう。