結婚式を挙げることを考えたとき、多くの人がもっとも気になるのが「お金はどのくらいかかるのか」ではないでしょうか。
結婚式・披露宴の総額の平均は約350万円といわれています。こういった情報を目にすると、自分たちに支払うことができるのか心配になってくると思います。
しかし、規模や内容によって結婚式・披露宴の費用は人それぞれです。ですので、ここからは自分たちの希望する内容で結婚式・披露宴を行った際、何に費用がかかるのかイメージできるよう説明していきます。
全体の費用の項目を知っておくことで、見積書を見たときに不安におちいったり、両家でもめることを回避することができます。
そのほかに「節約のポイント」や「費用の支払い方法とタイミング」についてもお伝えします。全体像がみえると自分にできる対処方法も浮かんでくるでしょう。結婚式の準備は大変ですが、幸せでワクワクするイベントでもあります。
しっかり事前にシュミレーションをして望みの結婚式をかなえましょう。
もくじ
費用がかかる項目について知っておく
まず結婚式と一口にいっても、神社やチャペルなどで誓う「挙式」と、親族やゲストに料理をふるまい新郎新婦をおひろめする「披露宴」のふたつがあります。
挙式だけ、披露宴だけ、いずれか一方だけ行うカップルもいますし、挙式・披露宴の両方を行うカップルもいます。これからそれぞれにかかる費用に、どんなものがあるのかお伝えします。
挙式にかかる費用
挙式にかかる費用の項目としては、以下のような内容があります。
・挙式会場使用料
ホテルや結婚式場の施設内の挙式会場を使う場合は「会場使用料」といいますが、神社や町のキリスト教会などの宗教施設を使用する場合は「献金」という名目で使用料を納めることがあります。
キリスト式の場合ですとほかに、「牧師」「聖歌隊」「生演奏の奏者」「結婚証明書」「フラワーシャワー」などがかかります。また、挙式会場を花で飾ったり、キャンドルを使用したりすると別に費用がかかります。
挙式料金の総額はだいたい15~40万円くらいが相場です。
披露宴にかかる費用
次に披露宴にかかる費用をみていきます。
・会場使用料
・料理、飲み物、サービス料
・装花、テーブルクロス
・引き出物、引菓子、引き出物用紙袋
・音響照明オペレーター、スクリーン使用料、カラオケ機材
・司会者
・ウェディングケーキ
・キャンドルサービスなどの演出物
・招待状、席次表、メニュー表などの印刷物
以上のようなものがあります。演出物やカラオケ機材は人によっては使用しないこともありますし、司会は友人に頼むことも可能です。また、印刷物は自分で手作りすることも可能です。
この中で、料理と引き出物については招待人数によって総額がかなり変動してきます。招待客が多いとその分金額が大きくなります。
また料理のグレードや引き出物の価格もピンからキリまであります。ですので、この段階で具体的な金額を算出することはできません。
一例としてですが、招待客80名ほどのレストランウェディングで、あらゆる節約を試みた友人がいました。その友人は200万円ほどに費用を抑えることができたということです。この例は、なかなかの低価格を実現したといってよいと思います。
その他の費用
他にかかる費用として以下のようなものがあります。
・新郎新婦の衣装
・美容師、介添えスタッフ
・写真、ビデオ
衣装の費用は招待客数にかかわらず、かかる費用となります。新郎新婦の衣装以外にも、両親の留袖やモーニングをレンタルするとさらに費用がかかります。
写真やビデオの撮影については、プロに依頼すると費用がかかります。また撮影したものを、データだけではなくアルバムにした場合、別に費用がかかります。
費用を抑えるために自分でできること
自分で費用を節約する方法はいくつかあります。これからご紹介しますが、自分で節約するにはそれ相当のリスクがともないます。ですので、リスクも含めてお伝えしていきます。
持ち込みして費用を抑える
ドレスや花やカメラマンなどを自分で安いところを探して手配し、会場に持ち込むという方法があります。ただし、持ち込みを禁止している会場が多数あることから、現実は難しい場合が多いです。
持ち込みを認めるよう個別に交渉する手もありますが、たいていの場合持ち込み料を請求されます。持ち込み料金というのは3万円ほどに設定されていることがよくあります。
ですので、料金を安く抑えることを目的として持ち込みするのはあまりメリットがありません。
しかし、中には持ち込みOKとしている会場があります。そのような会場をあらかじめ選んで、自分の工夫で費用を抑えることは可能です。
ただ、その場合のデメリットとしては、本当に信頼できる業者かどうかを自分の目で確かめなければなりません。通常のモノやサービスであれば問題があったとき、返品交換などの対応をしてもらえば済みます。
しかし、たった一度しかない婚礼で自分の思った通りのモノやサービスが受けられなかった場合、取り返しがつきません。
そのため、このような手間とリスクを選んでもよいという人以外には、あまりお勧めしません。ドレスや花などは特に、自分が気に入ったというだけでなく、会場の雰囲気とマッチしているかどうかという点も大切です。
トータルで考えるなら、その会場に精通している業者のほうが安心です。また、万が一のトラブルに際しても会場が責任を負ってくれます。
手作りして費用を抑える
もう一つの節約方法として、自分で手作りするという方法があります。もしくは、友人や家族に作ってもらう人もいます。多いのが招待状や、席次表などのペーパーアイテムを自分で作るというものです。
手作りすると温かみやオリジナリティが出ますし、思い出にもなるでしょう。費用面からだけでなくモノづくりの好きな人はぜひ手作りしてみてはいかがでしょうか。
費用ということに限っていえば、節約効果は微々たるものかもしれません。自宅のプリンターで印刷してもインク代や紙代はかかりますし、失敗すると無駄も出ます。
また格安の印刷業者に手配しても一定の料金はかかりますし、原稿に不備があった場合は自分の責任になります。席次表はゲストの名前が記されるものですので、できる限り間違いをなくさなくてはなりません。
会場にまかせた場合でも最終確認は自分の責任となりますが、会場担当者も細かくチェックして確認してくれますのでミスの可能性は低くなります。
それから、招待状に関しては自分で宛名を書くのもよいです。しかし、ホテルや式場で手配し招待客の宛名をプロに書いてもらう筆耕(ひっこう)サービスを利用することができます。
ここで、宛名をプロに依頼することのメリットをひとつお伝えします。美しい筆文字で書かれた宛名で招待状を受け取った招待客は何を思うでしょうか。多くの人がきっと、それなりの格式ある結婚式を行うのだと思います。
つまり、相応のご祝儀を包んでおいたほうがよさそうだと思う可能性が高いということです。素人が心を込めて書いた丁寧な文字よりも、プロの文字の力は大きいです。
ですので、そのようなことも踏まえて招待状の手作りは考えましょう。ゲストにとってはじめに受け取るのが招待状です。招待状の体裁をきっちりしておくことは、後々の欠席者を減らす効果もあります。
間際の欠席者の料理代や引き出物代は、全額負担になることが多いので要注意です。
カジュアルそうなパーティにメールで招待されたら、やはり気軽に欠席しやすくなるものです。実際に行うパーティはカジュアルであってもかまいませんので、招待状の作成にはぜひ力を注がれることをお勧めします。
会費制・少人数制のプランは本当に安いのか
婚礼会場が出しているプランで、会費制や少人数のプランは一見、とても低料金にみえます。しかし、よく内容をチェックしなければ実際には、そこそこの費用がかかってしまうことがあります。
このような低価格プランには、最低限の料理や飲み物などしか含まれていません。先ほど紹介してきたように、披露宴にはさまざまなものが必要で、しかもそのランクはピンからキリまであります。
パック料金などの低価格に思えるものはまず、最低ランクのものを選択したときのプラン内容です。契約後にもっと良いものをたくさん目にすると、グレードアップしてしまうのが心理です。
ブライダル業界が消費者庁国民生活センターに寄せられるクレームで多いのが、契約時の見積もりと後々の見積金額の大幅アップに関するクレームです。
実際に現場で接してきた新郎新婦で多いケースをご紹介します。当初、親族のみで20人程度の少人数披露宴をするつもりだったが、いろいろこだわっているうちに予算が膨らんきたというものです。
そのため「どうせならたくさん人を招待しよう」というように変化していくカップルが非常に多かったです。考えてみるとわかるのですが、人数が増えてもドレスや演出物の費用はさほど変わらないのです。
料理と引き出物の数は大幅に変わりますが、その部分についてはご祝儀をいただけます。ですからトータルで考えると、やはり規模が大きいほうが低コストになる可能性があります。
以上の理由から、費用を抑えるために会費制や少人数制を検討する人は本当にメリットがあるのか、よく注意してください。
結婚式の費用の支払いのタイミングと支払方法について
ここからは実際に、いつまでにどのくらいの金額を、どのように支払うのかということについてお伝えします。お金の準備や段取りが頭に入っていると精神的に楽になります。
支払いのタイミング
支払のタイミングは最初です。まず申し込みし、契約の際に内金という名目で10~20万円くらいを支払います。会場にしてみれば、契約のその日その時間は他の顧客を断って会場を抑えるのですから、簡単にキャンセルされると困ります。そのための保険金のようなものと考えてください。
そのため、まず初めに一部の金額を入金してもらうのです。このとき、確認しておかなければならないのは、もし今後キャンセルした場合いつまでなら、この内金が返してもらえるのかという点です。返ってこない場合もありますので契約は慎重にしましょう。
それから打ち合わせを重ね、人数や内容が決まってきます。この残りの金額を支払う時期ですが、会場によってさまざまです。多いのは結婚式当日より前です。1週間前までにとか、前日までになどです。
他には、当日支払いや後払い可能なところもあります。後払い可能な場合はいただいたご祝儀を使って支払うことができます。ですので、貯金額の少ない人や、親の援助を受けられない人には好都合です。
会場側にとっては非常にリスクがありますが、このような支払い方を認めてもらえる場合もあります。希望する場合あらかじめ確認してみるとよいでしょう。通常不可の会場でも場合によっては個別に対応してもらえるかもしれません。
その場合はおそらく、万一の場合に備えて親の勤務先などまで提出する必要があるかもしれませんが、それでもメリットは大きいと思います。
支払い方法について
結婚式の費用の支払いについてはいくつかあります。会場によって支払い方法が決められている場合もあります。一般的には、現金もしくは現金振込、クレジットカードです。
現金を引き出すのにも、振込みするにもATMには限度額がありますので注意しましょう。何度も振り込むと手数料がかさみます。
またクレジットカードが使える場合は大きなポイントがつく場合がありますのでメリットがあります。しかし、クレジットカードの支払いにも限度額が設定されている場合がありますので、よく確認しておきましょう。
交渉術で結婚式を安くできるのか
では、自分で直接交渉することで費用を抑えることは可能なのでしょうか。結論をいいますと可能です。具体的にみていきます。
結婚式の時期を考えて交渉する
ブライダル業界は非常に忙しい「繁忙期」と、比較的暇な「閑散期」がとてもはっきりしています。一般的に6月が繁忙期だと思っている人が多いようです。6月の花嫁ジューンブライドは幸せになれるという言い伝えからイメージされるからです。
実際は10月、11月が婚礼のトップシーズンです。ご自身のことを考えてみるとわかると思いますが、たくさんの人を招くとき、いちばん避けたいのが雨ではないでしょうか。ですので先ほどの6月はあまり選ばれません。
また、お盆や猛暑などから8月の婚礼は少ないです。同様に、みんなが忙しい年末年始や寒さの影響から1月、2月の婚礼も少ないです。
祝日が多く、比較的天候の安定した春や秋がシーズンとなっています。そのため閑散期を狙って価格交渉するというのはひとつのポイントになります。
宴会場の空きを放置しておくよりは、大幅値引きしてでも契約できたほうがホテルや式場にとってもメリットがあります。また、不人気な仏滅や平日も交渉の余地はあります。
私が個人的におすすめするのは8月下旬の土曜、日曜です。お盆も過ぎ暑さも幾分落ち着いてくる頃です。駅直結のホテルなどであれば、そんなに暑い思いをせずに館内に入ることができます。
ほかのメリットとしては、閑散期はスタッフに余裕があるのでサービスの質が上がることが考えられます。
また、自分の友達と結婚式の日が重なる可能性も低くなります。重ならないにしても同じ時期に複数の婚礼に招かれる共通の友人たちは、ご祝儀や衣装の負担がとても大きくなってしまいます。
そのようなことも避けられますので、気温を気にしなければ閑散期は非常にメリットがあります。
直近が安くなる訳とは
旅行や鉄道、映画の前売り券などは、早い時期から申し込むほど安くなることがあります。しかし婚礼は早い人ですと1年半以上も前から申し込む人がいます。普通の宴会では考えられないほど早くから申し込みます。
早いのが当たり前ですので早割りのような割引サービスは基本的にありません。
一方、おめでた婚などで2~3か月前くらいから婚礼の準備をする人が中にはいます。短い人で2~3か月ということです。そのようなことを考えると、2~3か月前で会場に空きがあった場合、会場側はもう婚礼予約は入らないとあきらめモードになってきているということです。
つまり、先ほどの閑散期と同様に、どうせ空いているのなら安く売りたいという心境になっています。直近の申し込みは空いてさえいれば、非常に交渉しやすいといえます。
このようなことから、一概に「一流ホテル=高い」とはいえないのです。逆に、放っておいても予約が入る時期の値引き交渉は難しいです。需要と供給のバランスを考えると、交渉のポイントがみえてきます。
素人がどこまで上手く交渉できるのか
以上のように、交渉のポイントをお伝えしましたが、実際に上手く行えない人が多いのではないでしょうか。交渉を仕事にしている人はともかく、普通の人が会場の担当者相手に上手に交渉するのは難しいと思われます。
そんな人におすすめしたいのが、フリーのウェディングプランナーに依頼するというやり方です。会場と自分たちが直接契約するのではなく、フリーのウェディングプランナーに交渉をしてもらうのです。フリーのプランナーはあなたの側に立ってあなたの有利になるように代弁してくれます。
もちろん、契約時と後々の見積もりが違いすぎるというトラブルも熟知していますので、ふたりの不利益にならないように間に入ってうまく進めてくれます。
どこの会場がふたりの希望にもっとも合っているか、予算や招待客層、ふたりの個性など総合的にみて最適な会場を探し出し契約します。プレッシャーのかかる交渉事などはすべて任せて、ふたりの希望をかなえてもらいましょう。
たくさんの会場の特徴と、裏側まで知り尽くしたフリーのプランナーに依頼するのは、非常に効率よく望みをかなえる選択だといえます。